3月のカルテ番外編

退院して次の日

 

「ふぃ〜〜〜〜!久々の学校だ〜!」

 

学校は今日で終わりで冬休みに入るらしい。

 

みんなからは「久しぶり」など

声をかけてもらった。

 

中には知らない転校生もいたりして

その転校生が女の子にめっちゃ手を出す

ヤリチン転校生だったことはその後知る…。

 

 

うちの学校は3時限目しかないし

頑張って行ったけど楽しかった。

 

だって久しぶりに友達に会えたのが

こんなに嬉しいなんて思わなかった。

 

久しぶりだったから友達の輪には

入れたり入れなかったりだったけど

 

外の世界っていいなぁって思った。

 

カバンを開けた瞬間

増田さんからもらった

手紙とバースデーカードを見つけた。

 

「なにそれ〜」と友達が聞いてきた。

 

「ヒビの大切なものだよ」

 

なーんてはぐらかしたが後から恥ずかしくなった。

 

もう増田さんとは会えない。

 

彼は医者で私は患者。

 

それっきりの関係なのだ。

 

 

外来の日、私は母親とベンチで待っていた。

 

顔をしたに向けて目を閉じていた。

朝9時半の外来は眠たい。きつい。

 

 

「ヒビさん。」

 

その時頭を一気にあげた。

 

 

 

「増田…さん…?」

 

 

「今日君の外来にお邪魔するね。」

 

 

嬉しかった。

また会えるなんて。

もう二度と会えないって思ってたから。

 

 

外来中

「おはよう。ヒビさん」

 

「おはようございます。」

 

「この一週間どうだったかな?」

 

「学校に行きました。

友達がみんな久しぶりって言ってくれました」

 

「よかったね。」

 

主治医の山本先生と増田さんは

安心したようにニコッて笑った。

 

そこからは

ODをしたい気持ちはないか

友達関係でなにか困ってないか

薬のことでなんか困ってないか

そして死にたいって気持ちがないか

って話をした。

 

 

 

「あ、あの…ダメならいいんですけど…。」

 

「ん?」

 

 

「この3人で写真が撮りたいです…」

 

山本先生と増田さんは目を合わせる。

 

「いや!?ダメならいいんです!」

 

そしたら山本先生は

 

「ダメじゃないよ。

増田先生がいいなら3人で撮りましょう」

 

おねがいいいいい!!

増田さんんんんんん!!!

 

「いいですよ!撮りましょう。」

 

そうしてsnowでなにもフィルターかけないで撮った写真の私はブッサイクに写った。

 

その時の写真載せたらなんかあかん気がするから載せない!!!!!!wwwwwwwww

 

でも本当に撮ったんです!!www

 

その時の写真はすごく大事にしてます。

iPhoneのカメラロールのお気に入りにもしてます。

 

大事で大切な1枚です。

 

「じゃあね、ヒビさん」

そういった時増田さんの手にはサンドイッチがあった。くれるのかな?(違う)

 

「本当食いしん坊ですね。

本当に1.2ヶ月ありがとうございました。

これからも生きようと思います。

本当にありがとうございました。」

 

そうして増田さんはサンドイッチを持って

精神科病棟に向かっていった。

 

 

 

 

 

「ありがとう。本当、増田さん」

 

 

 

 

 

 

あれから4.5ヶ月たった7.8月

 

私はブログを書いてます。

 

あの時起きた苦しさ辛さそして

生きる希望を持てたあの瞬間を

こうして文にして残しています。

 

いろんな人に見てもらって私嬉しいです。

前を向いて私は生きてる感じがします。

 

 

漫画家になってサインを渡す私の夢は

叶うのかわからないけど、

今一生懸命それに向かって走っています。

 

 

 

 

3月のカルテ番外編おわり。