3月のカルテ7

 

生きなきゃできないことって

たくさんあるの気づいてる?

 

ハッと目が覚めた。

今何時だろう。

 

時計がないなぁ…。

 

かと言って施錠されてるから

時計見に行けないしなぁ…

 

トイレとかも開けてもらわなきゃ

ダメだしなぁ。

 

正直不便してる。

 

飲み物冷やせないし←

(施錠されてるから冷蔵庫使えないのである)

 

 

 

「ってことがあってね。

施錠慣れてきたけどちょっと大変ですわ」

 

ちょっと増田さんに愚痴をこぼした。

 

「よし、」

 

増田さんは自分の時計を

私のベットのしたに入れてきた。

 

「えwwwなになに?www」

 

「おれはここで時計をなくして

仲里ヒビはそれを悪用する」

 

「へ?wwwwww」

 

そう言って増田さんはにっこり笑って

時計だけを置いて去っていった。

 

確実増田さんモテるだろうなって思った。

 

普通こんなことできないなぁって思いながら

時計をかちかち触っていた。

 

「あ、これ光るんだ。

夜でもいけるやつやん。有能」

 

私の枕の下は増田さんの手紙と時計があった。

 

まぁ、あくまで医者と患者だからなぁ。

 

そうゆう感情は抑えていた。

 

「そういや、私誕生日施錠されて終わるんじゃね?」

 

誕生日3月15日の私はこの時

もうすぐ誕生日だということに気づいた。

 

誕生日なぁ…

母さん次来るの15日…かぁ…

 

はぁ…なんて言うか…

施錠されてる誕生日って嫌だなぁ…

 

しかもちょっと母さんと気まづい…

 

 

「帰れよ」

 

 

あんなこと言っちゃったもんなぁ…

 

あーあ。

まぁ考えてもしょうがないなぁ…。

 

施錠されて月日が流れて

15日がきました。

 

「増田さんってベイマックスみたいだよね」

 

DVDプレイヤーがついたので

ベイマックスを見ていた時のことである。

 

「いや、俺こんなデブじゃねぇし!?

拳合わせた時にパララララしないし!?」

 

とんとんっ

 

看護師さんが入ってきた。

 

「仲里さん。お母さん見えられたけど

面談するらしいからもうちょっと

お部屋でまっててね」

 

「はーい」

 

面談かぁ……

何話すんだろう…

 

こいつ危ないからもっと入院させますとか

言われてるのかなぁ……嫌だなぁ……

 

あれから数十分が経った。

 

「ヒビちゃん、面談よ」

 

面談室に連れていかれた。

 

「やぁ、ヒビさん。

最近調子はどうかな?」

 

横に母さんがいて前に主治医がいる形だ。

 

「最近は、いろいろ考えを変えるようになって

生きたいと思えるようになってきました。」

 

「そうかそうか。よかった。

生きててしたいこととかあるかな?」

 

「あの…友達に会いたいです…

誕生日にはケーキでみんなで祝おうって

言ってくれたの思い出したんです…。」

 

まぁ、正直これは出るための口実(クズい!)

 

「あと、漫画描いて有名になりたいっていう

夢ができました。生きる希望です。」

 

 

「…ヒビ、」

 

「そうかそうか。お母さんの意見として何かありますか?」

 

「うちの子がこんなふうに生きたいって思ってくれるなんて嬉しくて、だから今日連れて帰ります。」

 

えっ…

 

 

「わかりました。じゃあ早速手続きしましょう」

 

 

入院ってこんな簡単に終わるの?((

 

「ヒビさんは荷物まとめておいで。」

 

「あ、はい!」

 

退院できるんだ…!

嬉しい…嬉しい…!!!

 

荷物をまとめて忘れ物がないか

ベットの枕をどかした時のこと。

 

時計と手紙があった。

 

「あっ…」

 

「増田さん…」

 

 

とんっとととんとんっとんとんっ♪

 

このノックの仕方は…

 

「やぁ、退院するんだってね。驚いたなぁ」

 

「増田さん…時計ありがとうございました…」

 

「おっ!こんなところにあったのかー!

なんだよ〜探したぞ〜!!(棒読み)」

 

「まっ…増田さん…」

 

私はこの入院生活の唯一の楽しみの増田さん

の前で崩れ落ちる感じで泣いた。

 

「もう、心残りは増田さんだけだよぉぉ泣泣」

 

「えぇ!?なんだそりゃ!」

 

「そう言えば誕生日おめでとう!」

 

そういって増田さんはバースデーカードを私に渡した。ピンクの猫の書いてある手作りのバースデーカード。

 

増田さんの体に寄りかかって泣いた。

 

とんとんっ

 

「用意できたかな?」

 

「もう、増田さんだけが心残りで…」

 

「あははは!増田先生すごくお気に入りだったもんね!www」

 

「あ、増田さんこの絵あげる。」

 

この絵はポプテピピックの2人と増田さんと私を書いた絵を渡した。

 

出会った理由の作品である。

 

増田さんは少し寂しそうにへにゃって笑った。

 

 

 

1ヶ月分のクソ重い荷物3つを持って

私は閉鎖病棟の門を通った。

 

「あ、増田さん!!」

 

ここで私からグータッチ

 

そしたら増田さんもしてくれた。

 

そこからのパララララ

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周りの人達はみんな笑ってくれた。

 

 

 

本当ありがとうございました。

主治医の山本先生。木谷先生。

看護師さんのみんな。

 

そして研修医の増田さん。

自動ドアが閉まるまで手を振ってくれた増田さんは最後笑ってくれてた。

 

 

 

私は笑えたかな?

 

 

 

 

3月のカルテ終わり。

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終わってしまいました!!

3月のカルテ!!

これはノンフィクションのお話なんですが

増田さん本当にいい人なんですよ〜!

今までご愛読ありがとうございました!!

今も山本先生という主治医さまが担当して下さってるんですがこのブログを見てくれるということですごく恐縮してます(?)

3月のカルテ番外編とか

増田さんと入院生活(ギャグ)とかも考えているので

よかったらまたお会いしましょう!

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とっても嬉しいです!!→@HiBi315

 

本当にありがとうございました!